パパイヤ 書きかけのあったので投下します。パパパパはあたしに甘い。欲しいものなら何でも買ってくれる。あたしを本気で怒ったことはない。あたしの我が儘を突っぱねたりは、出来ない。何でかって言うと、あたしの顔がパパにそっくりだから。うちにはパパはいるけどママはいない。あたしが中学生になったと同時に出ていった。パパが悪いんだ。だって、いつまでも自分の妹のことを忘れられないから。パパの妹は、パパとまるで双子のようにそっくりだったらしい。そんで、仲は良かったらしい。そんな妹は若くして病気で死んだ。やりたいこと、なんにもできないまま。妹が死んだとき、パパは修学旅行に行っていて、帰ってきたら既に土の下に眠っていたらしい。そういうことで、パパはあたしに甘い。ここまで語った、パパがあたしに甘い理由、乃ちパパの妹の話をパパは絶対口にしない。全部ママから聞いた話だ。ママもおばあちゃんから聞いたらしい。けど、知ってる。パパは手帳にいつも、妹の写真を挟んでる。開くことは少ないけれど、たしかにゴムと小さなカレンダーの間に幼い子供の写真が在るのを見たことがある。しかも、暗い深夜のリビング。シスコンもいい加減にしろよとは思うけれど、お陰で甘い汁を啜れる私は何も言わずに部屋に戻った。 [0回]PR