金喰い虫も好き好き 過去のやつ 彼女は,グルメではない その証拠に好き嫌いなどしない。寧ろしようが無い。 真白い手の甲を,ベロリと舐め上げた。 「それで,あなたはいくら喰べさせてくれるの。」 彼女は,ただの金喰い虫なだけなのだ。 フローリングの13畳, 床には赤い牛肉が転がっていた。 よく見ると,小さな足跡がついている。 …踏んだのか。 彼女は人間の食事などしない。それは彼女に何の栄養も与えないからだ。 彼女は,金を食べる。 紙幣,硬貨,日本銀行券,$,€,挙句には貝殻や葉っぱや石コロなど…区別なく彼女の前では ただの食料である。 動物を食べるという罪を犯さないで,生きられる。 裏返せば彼女は,人が文明を放棄すれば生きてはゆけないともいえるけれど。 放置予定の創作話です。。 [0回]PR