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くらわんか

二ヶ月くらい前に考えたのが放置してあったのでこっちに載せます~
途中で詰まってしまった

(ちなみにくらわんかというのは、妖怪学園ザビエルだったかな?とにかく魔夜先生の漫画に出てきた妖怪で、たしか笠かぶってて一つ目で、ご飯作るの上手なんです。そこから拝借しました。)










貘のような男である。夢を食う。いや、夢で食うといった方が、正しくあるかな。

今も、うすぺらの半紙を枕に規則正しい寝息を漏らしている。半紙は汗水が染み、およそ衛生観念の有る人間であれば目にもしたくないだろうほどにばっちい。

熱いものを食ったから、ひどく寝汗をかいているのだろう。もう少しで鼻水も出てくるだろう。汚い。
しかし、起き上がりのこいつにそんな文句を言えばお前のせいだろう、と大変遺憾な返事があるだけで拭きも片付けもしなくなるので、さりげなく顔にタオルケットを置いてやる。存分に濡らすがよい。

今日の食事は、メンマ大盛りの味噌スッポンラーメンである。

唐突だが俺の趣味は、食事である。これもまた、食事となったのであるとした方が正しいのだろう。
元々は無趣味の人間なのであった。ただ、何故だか日記だけは毎日詳細につけていた。そしてそれをたまたまこいつに読まれ、こいつにねだられ、ずるずると食事当番になってしまったのだ。
意味がわからないと思う。
故に、順を追って説明しよう。
まず、こいつの名前は播磨途晴である。
姓のまま播磨の出である。播磨と言えば播磨灘で、その辺りでは重要な航路らしい。(行ったことはないが。)播磨のお祖父さんは漁師で、播磨をも漁師にするつもり満々だったそうでこのおめでたい名になったそうだ。
ちなみにそのお祖父さんはある時夕飯時にテレビで見た有名なロックスターのパフォーマンスに心を打たれ、自分もまたロックスターになるべく漁船を売り払い箪笥貯金を崩し、今はお祖母さんとアメリカにいるらしい。
お隣の源三さんと重兵衛さんと棟茂さんとマルコと組んでのデビューシングル、"SOKOBIKI-Imean!"は好評らしく、メジャーデビューの話もあるとか。
俺も一度聞かせてもらったが、世界の広さを実感するのみだった。や、海底の深さかもしれない。


話がめちゃくちゃそれた。

とにかく播磨途晴のおうちは代々、漁師をしていて、つまり漁村に住んでいて、そして漁村と言えば海神信仰、ワダツミの神である。
漁師たちやその家族はみな、船出の前に神社にお祈りに行った。帰ってこれますように。大漁でありますように。幼き頃の播磨ももちろん、祖父の無事と大漁をまわりにならって祈願した。
すると播磨はあまりにも神のお好みの容姿だったのかなんだか知らんが、現世の食物では味覚を感じなくなってしまった。
ヨモツヘグイ。神は播磨を自分のものにする気で満々らしい。きっとあっちでご馳走をたくさん用意して待ちわびているのだろう。どっちだ。

ということで飯は只の栄養接種になってしまった播磨だが、転機は小学五年生のことだった。
"枕のしたに、写真や本を敷いて寝るとその夢を見られるらしい"
皆一度はやる、よくあるおまじないである。播磨は当時はまっていたバトル漫画を敷いた。
すると、夢の中に飯が現れたのだ。
主人公が貪っている、あの骨付きの肉は味覚が絶えて久しい播磨には究極のご馳走であった。泣きながら、咽びながら食べた。ばりぼり。骨まで喰らった。おいしーーーーーーーー!!!!!!

それからは播磨の図書館につめてレシピ本だの、はては文学者の食事談義だのを借りては枕にする生活が始まった。

更に、高校を出た播磨は上京した。
枕ご飯は同じ本ならばいつも同じ味で、人の手で作った料理のように今日はちょっと濃いねとか、アレンジしてチーズ入れてみよっか?とか、そういうのが無く人間味に欠けるので、何度も繰り返し食べる気にはならないらしい。
しかし地方では図書館にある本には限界があるし、自費で買うと食費がかさむ。
であるので、ストックを増やすためにと都会に来たのであった。人生は長い。







(ここで詰まりましたが、確か記憶ではこのあと寮かなんかで、日記をたまたま枕にしたら美味しかったから俺のために毎日飯を書いてくれ!ってなった ような)

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