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ショル大尉(腐)

珍しく完成させたやつだけど完成しているように見えない小説。

ガチャリ
ドアノブを回すとそこは和室だった。ベッドとクローゼットのみが置かれて、窓の外のドイツの空との対比はミスマッチ!という言葉がそのまま当てはまるような殺風景な部屋だった。
「じゃましまーっ」
僕は言うなり直ぐさまベッドにダイブする。多少くたびれた枕や、シーツなど、部屋のあちらこちらからは嗅ぎ慣れた大尉のにおいがしてちょっと不思議な、てゆうか側に大尉がいて見守られているような、奇妙な感じがした。ちょっと恥ずかしい。
誰もいないのを確認してから掛け布団とシーツの間に潜り込み、丸まってみたり伸びてみたり、枕元にあった彼の手袋のスペアをはめて自分の頭を撫でてみたり冷たいところを求めてひたすらもぞもぞしたりしてみる。今更だけど、彼のサイズの布団も手袋も僕には大きかった。

もぞもぞ、もぞもぞもぞ。

探検したからか布団に着衣したまま入っているからかその両方かはたまた違う理由か、体が火照ってきた。不快な暑さとは違う暖かさ。温もり。
だんだん力が抜けてきて、僕は意識を手放した。


任務帰りの大尉はちょうびっくりした。喋らない事に定評のある彼はついユートピア!と叫びそうになった。
自分の部屋の、自分の布団に、自分の愛しの恋人が無防備に生足を晒して(寝てるうちに暑くなってズボン脱いだのだろう。眼福。)眠っているのである。
しかも「んぅ...大尉...」
などとけしからんにも程がある寝言をむにゃむにゃしている。大尉は頭を抱えて窓ガラスぶち破って逃げ出したくなったがどうにか堪えた。彼の睡眠を邪魔するわけにはいか無い。
取り敢えずその辺からパイプ椅子を一脚かっぱらってきて、彼の頭の側に座った。前髪が少し邪魔そうだったので、優しく人差し指で掬い上げた。
数日ぶりの恋人の顔。
安堵を覚えつつふと見れば、彼の目には連日徹夜したかのような隈が出来ていた。


みぢかっ!!
和室と大尉のミスマッチに萌えただけ。

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